別荘を相続資産としてより高い価値で引き継ぐためには?
- 最終更新日:2020.07.22
- 公開日:2018.03.14Writer:りぞほくん
プライベート空間を楽しむ軽井沢での別荘生活。しかし、中には「子や孫に資産を残したい」という目的で別荘を所有する方もいらっしゃるでしょう。
別荘は不動産であるため、固定資産としての価値があります。
ただ、相続を想定されている場合、その固定資産の評価額に注意しなければなりません。
そこで今回は、土地にフォーカスして相続のルールをご紹介します。大事なお子さんやお孫さんにより多くの資産を残すために、相続ルールを知っておきましょう。
■不動産の相続税申告の基本
不動産の相続税申告は、不動産の時価ではなく相続税評価額に基づいてなされます。
市街地であれば、相続税評価額は路線価を基に求められることになり、時価の70~80%程度となるため、時価よりも低い有利な金額で申告できます。
しかしながら、別荘地の場合相続税評価額が時価を上回るケースもあるため注意が必要です。
その理由は不動産の評価方法の種類にあります。
不動産の評価方法には「路線価方式」と「倍率方式」の2つがあります。
路線価方式は、国税庁によって決められた路線に面する標準的な宅地の価格にしたがって土地評価額を算出するもので、市街地を中心に用いられます。
一方、倍率方式は、固定資産税評価額に対して国税庁が定めた倍率を掛け合わせて土地評価額を算出するもので、路線価が定められていない地域の土地等を評価する場合に用いられます。
別荘地の多くは、市街地ではなく閑静な森や山間部にあることから、倍率方式が適用されるケースが多くなります。
人気の別荘地であればよいのですが、人気がなく極端に流通しにくい別荘地や不景気で地価が著しく下落した場合等は、相続税評価額が時価を上回る可能性があります。
■相続税評価額が時価を上回ったときの対処法とは?
相続税評価額が時価を上回った場合、適正な時価による申告をすることができます。
それでは適正な時価はどのように知ることができるのかといいますと、それは、不動産鑑定士による公正な鑑定評価です。
この鑑定評価額が相続税評価額を下回る場合は、鑑定評価額=時価として申告することができます。
■注意点
時価での申告がすべて認められるものではなく、鑑定評価の内容によっては税務署に否認される可能性もあります。
また、相続税評価額が時価を大幅に超えるケースでなければ、鑑定費用等をペイして、更にメリットを享受できない可能性もあります。
このように、別荘の相続には税対策への注意が必要です。
相続を意識されるタイミングにきましたら、税理士や不動産鑑定士といった専門家にご相談されてみてはいかがでしょうか。